「この表現、大丈夫かな」と思ったまま公開していませんか
アフィリエイトで健康食品・化粧品・ダイエット系の商品を扱うとき、広告文やLPの表現に「なんとなく不安」を感じながらも公開してしまった経験はないでしょうか。薬機法(旧薬事法)の違反は、知らなかったでは済まされないケースがあります。広告主のみならず、広告を掲載したアフィリエイターも措置命令や行政指導の対象になり得ることが、近年の事例から明らかになっています。
この記事では、坂本桃太郎が広告・アフィリエイトの現場で長年見てきた「踏みやすい地雷表現」と、実際に使える言い換えの考え方を具体的にまとめます。法律の条文解説ではなく、「現場でどう判断するか」という実践的な視点でお伝えします。
薬機法がアフィリエイターに関係する理由
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品・医療機器だけでなく、健康食品・化粧品・サプリメントなどの広告表現にも深く関わります。とくに重要なのは「未承認医薬品的な効能・効果を標榜してはいけない」というルールです。
アフィリエイターが注意すべき最大のポイントは、「自分が書いた広告文が違反とみなされる可能性がある」という点です。2021年以降、消費者庁はアフィリエイト広告に対する監視を強め、ASP経由の広告においてもアフィリエイターが措置命令の対象になった事例が出ています。「ASPが審査したから大丈夫」という考えは通じなくなっています。
坂本桃太郎が見てきた「地雷表現」の実態
アフィリエイト・ネット広告の現場を長く見てきて、薬機法まわりで特に多いと感じるのは「効能の断定」と「体験談の使い方」の二点です。2018年ごろ、主力にしていたビジネスモデルの収益が大きく落ち込み、自分自身も広告表現を根本から見直した時期がありました。そのとき気づいたのは「グレーだとわかっていても、強い表現に頼っていた」という自分の習慣でした。コンバージョンが上がる表現ほど、規制の境界線に近いことが多い。これは今でも変わらない現場のリアルです。
現在、副業に取り組む方々の情報提供やコンサルをする中で見ていると、初心者ほど「公式サイトに書いてあったから使った」という理由でそのまま転載して違反になるケースがあります。公式が書いている表現でも、アフィリエイターが第三者として使うと意味が変わります。この非対称性を理解していない人が非常に多い。
踏みやすい地雷表現と言い換えの考え方
以下は、LP・広告文でよく見かける地雷表現と、その言い換えの方向性です。「言い換え例」はあくまで考え方の参考であり、個別の商品・掲載状況によって適否は変わります。必ず薬機法に詳しい専門家への確認を推奨します。
地雷①:「〇〇が治る・改善する」系の断定
「膝の痛みが治る」「シミが消える」「血糖値が下がる」——これらは医薬品にしか許されない効能・効果の標榜です。サプリや健康食品でこれを書くと、医薬品的な効能の標榜として薬機法違反になります。
- 地雷:「飲むだけで膝の痛みが改善する」
- 言い換えの方向:「膝まわりの動きが気になる方の毎日の習慣に」「日常的なケアとして取り入れている方の声を紹介」
- ポイント:「治る・改善する・効く」という動詞を、「ケア・習慣・サポート」という名詞的・行動的な表現に変える。
地雷②:「医師・専門家も認めた」系の権威付け
「医師が推薦」「〇〇学会が認定」「専門家も驚いた」という表現は、効能を暗示する形として問題になりやすいです。また景表法(優良誤認)の問題にも重なります。
- 地雷:「現役医師も認めた成分配合」
- 言い換えの方向:「〇〇成分を配合(成分の説明のみ)」「開発に携わった研究者の話を参考に〇〇を選びました(個人の選定理由として語る)」
- ポイント:「効能を権威が証明した」という構造を作らないこと。成分情報と個人の選択理由を切り離す。
地雷③:ビフォーアフター・体験談の使い方
「1ヶ月で-5kg」「使い始めて2週間でシミが薄くなった」という体験談は、効能の断定として扱われます。体験談であっても例外ではありません。
- 地雷:「実際に使った方から『1ヶ月でシミが消えた』との声が続々」
- 言い換えの方向:「使い続けた方の感想をご紹介(個人の感想であり、効果を保証するものではありません)」と断りを入れたうえで、外見の変化ではなく「習慣になった」「使い心地が好き」などの感想にとどめる。
- ポイント:数字と外見変化の組み合わせは特に危険。「〇日で〇kg」「〇週間で変化」という構造はほぼアウトと考える。
地雷④:「No.1」「唯一」「最高」系の最上級表現
薬機法というより景表法の領域ですが、アフィリエイトのLP・広告文で混在しやすいため合わせて確認が必要です。「売上No.1」「日本唯一の処方」「最高濃度配合」は、合理的な根拠なく使うと優良誤認として問題になります。
- 地雷:「業界最高濃度のヒアルロン酸を配合」
- 言い換えの方向:「〇mg配合(具体的な数値と根拠を明示)」「自社製品ラインの中で最も高い配合量」など、範囲と根拠を限定する。
地雷⑤:「〇〇専用」「〇〇に効く」系のターゲット断定
「更年期の方専用」「糖尿病が気になる方に」「認知症予防に」という表現は、疾病・症状に直接言及するため薬機法上の効能標榜に該当します。
- 地雷:「糖尿病が気になる方のためのサプリ」
- 言い換えの方向:「毎日の食習慣が気になる方に」「40代からの健康維持に取り組む方へ」——疾病名を消し、ライフステージや生活習慣の文脈に置き換える。
「公式から素材をもらったから安全」が危ない理由
ASPや広告主から提供されたバナー・テキスト素材をそのまま使えば安全と思われがちですが、これは完全には正しくありません。提供素材の表現が薬機法・景表法の基準を満たしているかどうかは別の問題であり、それを掲載したアフィリエイターにも責任が及ぶ可能性があります。
コンサルの現場でよく伝えることがあります。「素材をもらったことは免責の根拠にならない。自分のサイトに載せた瞬間、自分の広告になる」という感覚を持つかどうかが、長く安全に続けられるかどうかの分岐点だと感じています。
表現を見直すときの実践的なチェックの流れ
LP・広告文を書いたあと、公開前に以下の流れで確認することをすすめています。
- ①「治る・効く・改善」という動詞が含まれていないか——含まれていたら、習慣・ケア・サポートに置き換えを検討する。
- ②疾病名・症状名が直接登場していないか——「膝痛」「シミ」「肥満」などが出ていたら、ライフスタイル表現に変える。
- ③体験談に数字+身体変化の組み合わせがないか——あれば削除するか、「個人の感想」の範囲に明確に収める。
- ④「No.1・唯一・最高」などに根拠の明示があるか——根拠が出せなければ表現を外す。
- ⑤最終的に薬機法・景表法に詳しい専門家(弁護士・薬剤師等)に確認する——特に高額商品・健康ジャンルは専門家チェックを前提にすることが現実的なリスクヘッジになる。
よくある質問
Q. アフィリエイターも本当に薬機法の対象になりますか?
なります。消費者庁は2021年以降、アフィリエイト広告における表示責任の範囲を拡大する方針を明確にしており、ASP経由の案件であっても広告掲載者として責任を問われた事例が存在します。「間に業者が入っているから大丈夫」という考えは、現在の監視体制では通用しないと理解しておく必要があります。
Q. 「個人の感想です」と書けば体験談はどこまでOKですか?
「個人の感想」の注記は必要ですが、それだけでは免責されません。注記があっても、体験談の内容が効能・効果を標榜していれば薬機法・景表法の問題は残ります。注記はあくまで「誤解を防ぐための補足」であり、違反表現をそのまま正当化するものではない、という理解が正確です。
Q. 成分の説明はどこまで書けますか?
成分の一般的な説明(「ヒアルロン酸は肌の水分保持に関わる成分のひとつです」など)は、効能を断定しない形であれば書けます。ただし「〇〇成分がシミを消す」のように商品の効能と直結させると問題になります。「成分の説明」と「商品の効能の断定」を切り離して書くことが基本的な考え方です。
Q. 競合他社のLPが違反表現を使っているのに、なぜ自分だけ注意しなければいけないのですか?
他社が使っているかどうかと、その表現が合法かどうかは別の問題です。監視は一斉に行われるわけではなく、摘発されていないこととルールに違反していないことは違います。また、同じ表現でも累積的な行政指導の蓄積で突然対象になるケースもあります。「みんなやっているから大丈夫」という判断は、長期的なリスク管理として成り立ちません。
Q. 化粧品と健康食品で規制の基準は変わりますか?
変わります。化粧品は「人体に対する作用が緩和なもの」として定められた効能・効果の範囲(厚生労働省が示す化粧品の効能効果の範囲)があり、その範囲内で表現できます。健康食品・サプリメントは食品扱いのため、疾病の治療・予防を目的とした効能を標榜することが原則禁止です。カテゴリごとに許容される表現の幅が異なるため、扱う商品のカテゴリを正確に把握することが出発点になります。
まとめ
薬機法の地雷は、「悪意があるかどうか」に関係なく踏んでしまうことがほとんどです。だからこそ、「強い表現にしたい」という誘惑と「リスクを正確に理解する」という習慣のどちらを優先するかが、長く続けられるかどうかの分岐点になります。
坂本桃太郎自身も、収益が落ちて表現を見直さざるを得なかった時期に、強い表現への依存がいかにリスクを高めていたかを実感しました。成果には個人差があり、特定の収入や結果を保証するものではありませんが、表現リスクを正しく理解したうえで広告文を組み立てることは、アフィリエイトを安全に続けるための最低限の土台です。
「なんとなく大丈夫だろう」ではなく、「なぜこの表現が使えるのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくこと。それが、現場で長く生き残るための一番地味で、一番確実な方法だと考えています。


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